【小説】タイトル未定

私が恋に落ちた相手は、学校の先生でした。
あんな未来が待ってるなんて思っても見なかった高校1年生の春。
校舎内で、クラスの場所がわからなくなって、迷子になるくらい不安でいっぱいだった私。
チャイムがなっているのに、行き場がわからず、校舎内を彷徨っていると、後ろから声をかけられた。「チャイムなったぞ?どうした?」そう声をかけてくれたのは、私が恋に落ちた相手だった。
不安から解放された私は、その場に座り込んで泣き出した。まるで、漫画のワンシーンのように。
「もしかして…迷子になった?」とちょっとだけ小馬鹿にしたような言い方で私にそう尋ねた。
私は無言で頷き、行き先を告げた。
道に迷った女子高生と、それを保護した先生。
静まりかえった校舎の廊下は、2人の足音だけが響いていた。そんな廊下がちょっとだけ怖くて、先生の上着の裾を指先で掴んでいた。
──私は、先生が好き?
そう思った時に時はもう手遅れだった。
私は、先生のことを好きになってしまった。
でも、そんなこと先生には言えない。
ましてやこの恋が叶うはずもないと。
そう思っていたのに───

Nozomi Matsuda

If you become a teacher,exceed me.

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