私の短歌
すれ違う
記憶の香水
あなたじゃない
かすかに香る
ミモザアカシア
私は、好きになってはいけない人を好きになってしまった。
私が好きになってしまった相手であるあなたは、私の気持ちに気づくことはない。
なぜなら、私が一方的に好意を寄せた相手だから。
あなたと過ごす日々の中で、時々したあの香り。
あの香りは私にとって、記憶の香水だった。
そんな記憶の香水が、街中ですれ違う人々の中に時々あった。
記憶の香水は、街中で私をワクワクさせた後そのワクワクを奪っていった。
すれ違って同じ匂いがした時、振り返ってもそこにあなたはいない。
あなたじゃないから。
あなたじゃないとわかった時、悲しくなる、切なくなる。
あの記憶の香水の持ち主はあなただけじゃないと知る。
会いたくて会いたくてたまらないあなたがすぐ近くにいるんじゃないかって、そんな気持ちにさえなってしまう。
そんな時、かすかに香ってきた匂いは、記憶の香水でもなければ、あなたの香水でもない。
ミモザアカシアという花の香りだった。
花言葉は「秘密の恋」
決して知られてはならない想い。
この三十三音、定型である三十一音を二音上回った字余りの短歌。
私は三十一音という定型に収めることのできなかった気持ちを私とあなたに向けて詠む。
すれ違う
記憶の香水
あなたじゃない
かすかに香る
ミモザアカシア
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